世界中の皆が□(匣)に見えました。
だから、自分も□(匣)なんだと思ってました。
小さい頃の私は、大人から毎日テトリスバーみたいなモノを渡されて、
『ちゃんとしまいなさい。』
と言われるのでした。
私は渡されたテトリスバーを、綺麗に□(匣)にしまおうとするのですが、
どうしても上手く入らないのでした。
皆は、底の方の下の方に、しかも隅っこに寄せて仕舞えるのに、
何故か私のテトリスバーは、なんだか斜め。
何処かに引っ掛かってるみたいで、下に落ちてくれません。
始めは『斜めにしか入りません。』と大人に訴えれば、
『こうしてこうやったら入るでしょ?』と教えて貰えたのですが、
教えて貰った通りに入れてみてもやっぱり斜めになってしまうのでした。
『やっぱり斜めにしか入りません。』と大人に訴えても、
『ちゃんと教えたでしょ。』って何回目からかは怒られてしまいましたので、
だんだん出来なくても誰にも聞かなくなりました。
私は斜めにしか入れられないけど、一生懸命それを仕舞い続け、
でも隙間だらけだからだんだんそれも一杯になってきて。
最後は先っぽが上からはみ出してきましたが、
それも“詰め放題”の要領でなんとかすきまに刺して上に積み上げることで、
きちんとしまったフリをしていました。
その内どうしても中に入れられない状態になりましたので、
だんだんその辺に入れる事が出来なかったテトリスバーが散らかってきまして。
そしてある日、限界が来ました。